不登校息子+親介護+単身赴任夫=思秋期なあたくし。

怒涛のようにやってきた不登校と介護と夫の単身赴任の荒波を、更年期のあたくしがサーフィンする日々の記録です。

母、中学最後の体育祭に参加する

息子がタロウの世話をしている。


タロウはセキセイインコなのだが先日3個の卵を産んで♀だとわかり、

わたくし達を驚かせた。

 

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孵らない卵から興味を失ったタロウは、既に新しい遊びに没頭している。

 

見慣れた朝の風景であるが、今朝は違った。

何といっても今日は中学最後の体育祭なのだ!

わたくしは委員会ネームプレートを首から下げ、「行ってらっしゃい」と息子に送り出された。

成り行き上とはいえ、息子が参加しない体育祭に出入りすることの居心地の悪さは

いくらわたくしでも感じている。

 

 

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後ろめたさを感じる一方で実は

日々がんばっている中学生たちの日常が知りたいと渇望しており

神社のお祭りにでも向かう時のように気持ちが高鳴った。

お弁当も水筒も持たず、

ポケットには汗拭き用の手ぬぐいと

万が一の時のために涙用のハンカチをねじ込んだ。

 

校門が近づくと、

長年にわたりPTAの仕事を引き受けてくれているレジェンドたちが。

校庭に一歩踏み込めば、顔なじみの母親たちが。

その逞しい腕でわたくしの頭といわず背中といわずバシバシと叩いて歓迎してくれた。

 

数年前までジバニャンのリュックを背負っていた4頭身の幼児だったあの子が

「おはようございます」と野太い声で挨拶してくれる。

 

 

 

 

あるいは美しく成長した笑顔ですれ違う女子たち。

・・・なんだかまぶしくて目がチカチカしてしまった。

不思議と哀しい気分にはならず、

圧倒的な息子と他の中学生の差異に気づくに止まった。

その差異についてはまた後日、よく考えてから書いてみたい。

 

この群れの中に息子は戻らない。

しかし、今ある学校の風景の中にわたくしが身を置いているのは

すべて息子がつないだご縁なのだ。

〇〇ママと呼ばれ、〇〇の保護者として参加している。

あたたかく居心地が良かった母親としての時間。

感謝をこめてきちんと仕事をしようと務めた。

ここから先、

息子に紐づけされラベリングされていない世界で

わたくしとしての時間を拡大していかなければ、と、思いを巡らせていた。

 

昼休み、さて、昼食をどうしようか、という段になり

先のレジェンドママから声が掛かった。

おにぎりを買ってきてあげるから、一緒に食べようというのである。

辞そうと慌てたわたくしが「アイスクリームが食べたいから自宅に帰る」などと

わけのわからない言い訳をしてヘドモドしていると

それを見た顔なじみの母親たちがお腹を抱えてゲラゲラと笑って

「アイスなら帰りに一緒に食べにいこうよ」と。

これまた辞そうと財布を持っていないだとかいろいろと言ってみたが

ごちそうしてくれるとまで言うので素直にありがとうと受けることにした。

 

数分後、手渡されたおにぎりを、

頬を羽でなぞられるようなトロンとした気分で口にした。

 

結局、中学生の体育祭は可愛らしく安全に執り行われたことを最後まで見届けた。

帰りにクリームあんみつを美味しくご馳走になった。

 

帰宅したら

不登校息子が腹を空かせて待っていた。

そうだ! 彼の昼ご飯をすっかり忘れていた・・・。


 朝からはしゃいだ気分で体育祭に出かけ、

懐かしい人たちにすっかり甘やかされて帰還したわたくしの

不登校に対するペインスケールは、2くらいだろうか。

日に焼かれ火照ったわたくしの顔を見るなり息子がオタフクソースを冷蔵庫から取り出して、

「コレみたい」とパッケージのイラストを指差した(о´∀`о)

 

先ほど母カテゴリーからの離脱を決意したばかりのわたくしだったが、

もう少しだけこの領域に居ることを許してもらいたいなぁ、

などと思っている。

インコのタロウのほうが、よほど潔い・・・。