誰も居ない家に帰宅する。
と、腹は空いているはずなのに何も作りたくない。
ごはん・・・、
ごはん、って、なんだっけ?
空腹を満たすための何かでは無いような気がする。
それだけならば彩もぬくもりも季節も栄養も関係ない。
月曜の夜はとくにいけない。・・・と、いうのは
週末、単身赴任夫は帰宅するがわたくしは仕事に出るので
週の真ん中木曜日の夜あたりから作り置きが始まり、
金曜夜
土曜朝、昼、夜、
日曜朝、昼、夜、
月曜朝4時に握り飯を持たせて赴任先へ送り出すまで、
ささやかではあるが、渾身の力をこめて想像力のヒトカケラも残さずにごはんを作る。
と、いうわけで
我が家の月曜夜の冷蔵庫はスッカラカンなうえに
わたくしには,自分のための食事を作ろうなんて思いは残っていないのだ。
21時30分。
二本目の缶酎ハイは、川沿いの桜とともにいただくことにした。
降り始めた雨に打たれても、うなだれることなく誇り咲く花々の群れ。
しかしその気高さは、スマホでいくら撮影してもうまく記録できなかった。
帰路、肉まんを買おう、と立ち寄ったコンビニのレジ横にはすでにあの、ほかほかのショーケースは見当たらなかった。春なのねぇ
仕方なく形だけ肉まん様態のシュークリームを買って帰る。3個。
1個、1本、1つ。コンビニでの単体買いは、
店員が若い男子だとちょっと気が引けるのだ。
22時15分。
息子から謎のLINEが届く。
「まんかい」「もってくれよ~」
写真の一枚もよこしてくれたらいいのに。
どうやら明日、入学式があり、その際、桜が雨にやられてしまっていては残念なので、「もってくれよ~」ということであろうか。
あの子の住まう近隣の桜に思いを馳せる。
今朝、布団にたどり着けずにソファで目覚めた。
豪雨。
増水した川面に散りたての花びらがくるくると
回りながら生まれ地を旅立っていく。
この幹のもとには止まらず別れゆく花たちとは違い
また集う我が家族との時のために、ごはんの腕を上げておかねば。
だけどその前に、朝ごはんには肉まんを食べよう!