毎年のことであるが、実父は年末年始に体調を崩す。
と、同時に傍らで父の日常を世話する母の心労がかさみ闇が深くなっていく。
とある冬の日、
実家を訪れたのだが、すでにわたくしが出来る新しい策は見当たらないジゴクの有り様。
仕方なく父の両腕を握りしめて諭すように語りかける。
が、「わかったふうな口を聞くな!ロクデナシ!」と突っぱねられる。
おー、オキシトシンが足りないのかなぁ?と思い父を抱きしめてみたところ、
「ぐわ〜っ!」と叫び声を上げる父。
そして「殺されるっ、殺されるっ、俺はまだ死なないぞっ、俺の家だっ、2度とお前ココに来るなっ、邪魔すんなっ!死ね!お前が死ねばいい!」「ママっ!ママーっ!殺される!コイツに殺される!助けてくれー!」
腕をぶん回しながら拒否されたのだった。
…父は誰よりも長生きすることであろう!
お手上げの程で父の居室を出ると
母は淡々とキッチンで糠床をかきまぜながらわたくしに言った。
「小賢しい理屈こねたってパパとママの日常は1ミリも変わらない。そんなアンタが昔からママは可愛くないし嫌いだし」。
…知ってるよ💢
わたくしが、まだ小さな頃から母の口癖は
「アンタの、そういうところが大嫌い」だ。
もう百万遍も聞かされてきた。
思いは平行線でゴールが見えない介護生活。
それぞれの気持ちの中で
ミッチミチぱんぱんに膨れた気持ちは、
わたくしの介入で多少ガス抜きできたのだろうか?
わたくしは、こんな事しかできない不甲斐ない娘なのである。
こんな時は退散!
寂しくなる前に悲しくなる前に退散するのだ。
天の神様。
今年も、こんな私たちの1ミリも成長しない家族を見ていてくださいっ。