月に一度のお楽しみ。
父にとってケアマネージャーのU氏の来訪が何よりの慰安である。
そのモニタリングの場に母は立ち会わない。
いや、父が母を部屋から締め出すもので、立ち会えないのだ。
母は諦め顔で「パパの病態にさして変化は無いから、それで良い」としているのだが。
ンなワケにもいかないので数ヶ月に一度は、わたくしが立ち会うことにしている。
先日、件のモニタリングに父には内緒で居室ドアの外から参加した。
普段は寝たきり老人の父が椅子に腰掛け、小指を立ててコーヒーを飲み、声を荒げて喋りまくっている…。
時事ネタ
下ネタ
家族の悪口
時折なぜか歌💦
突然まともな雑学を披露
デイサービスでの悔しかった出来事
会社員時代の自慢話し…からの下ネタ
本気の下ネタ…と思わせておいて
今どきの若者考を英単語を交えてそれらしく
と思えば涙ながらに不当な扱いを受けている日常を浪花節で訴える
…。
父のぶっ壊れた頭の中は、
嵐が近づいている島の天気のようではないか?
目まぐるしく変わる会話。
しかし内容は前回と概ね変わらない。
ケアマネージャーU氏が傾聴の心でついて来てくれる。
わたくしからはU氏に補足する事は何も無く、
ただ、この状況下で日々父に寄り添う母のフォローを願うばかりだ。
ヘビが居そうな場所に自生する植物で、
その赤い実を目当てにやって来る小動物をヘビが捕食する、と言われることから名付けられたと聞く。
まん丸の赤ら顔で喋りまくる父はヘビイチゴみたいだなぁ…いつの頃からかそう思うようになった。
食べると不味いヘビイチゴ。
しかし、その赤々と発色する父の魂に引き寄せられるわたくし。
ヘビイチゴが今年も母の丹精込めた庭で実をつけていた。
…と、いうことは、ヘビは母か。あらら?