不登校息子+親介護+単身赴任夫=思秋期なあたくし。

怒涛のようにやってきた不登校と介護と夫の単身赴任の荒波を、更年期のあたくしがサーフィンする日々の記録です。

小田急線が止まる前に移動せよ!

12日朝。

職場は前日から休みを決定していた。

ならば向かうべき場所は実家だ。

電車が午前中で止まるというから、さあ大変!

 

前日、缶チューハイ2本ばかりにやられてしまい、

何故かパンいちで廊下に寝落ちしていたわたくしだ💦

脱ぎ捨てたジャージを拾い上げ、洗濯機に投げ込み、

お急ぎコースで回している間に身支度し、長靴、カッパを着込む。

息子が養生テープをリュックサックにぶち込んでくれたので、自宅はおまえに頼んだ、と雨の中を飛び出した。

何処に行っても売り切れでわたくしには見つけられなかった養生テープ

不登校息子が金曜早朝から自転車で各所ホームセンターを巡り、ゲットしてきたやつだ。

 

台風直撃。外出を控えるべき連休初日の快速急行の乗客は、訳ありの人びとばかり?

ガラ空きの車内。

車窓にはビチビチと雨がブチ当たり流れ去る。

わたくしは、嵐の前に到着せねばならない場所があり。

当然行くだろうと思って送り出す家族が居る。

期待に応えて行動するのみだ。

 

海辺の駅に降りたつと潮の香りが濃かった。

コンビニさえ開いていない。

駅蕎麦を食べてから実家に向かうつもりでいたのに売店すらシャッターを下ろしている。

残念だが仕方ない。

道すがら、渋滞している箇所があった。

マクドナルドのドライブスルーだ。

徒歩のわたくしは店内に入り、難なくハンバーガーを3つ手に入れることができた。

対応してくれた高校生とおぼしきクルーが驚くほど仏頂面で気の毒になる。

彼女たちも家族に心配されながら、それでもシフトの約束を遵守するため出勤しているのだろう。

早く安全に帰宅して欲しい、と願いながらホカホカのハンバーガーを胸に店を出た。

 

果たして。

実家では母が作り置き料理に奮闘していた。

握り飯をいくつも作り、葉野菜を茹で、ポテトサラダを作り、キンピラを煮る。先週農協で買って、わたくしと半分にした冬瓜は、中華スープになっていた。

 

デイサービスが休業になり、かなりガッカリの父。家庭での入浴は既に困難なため、週2回のデイサービスでの入浴が父の何よりもの楽しみなのだ。

電子レンジで蒸しタオルを何本か作り、ブツクサ言う父の身体を清拭していく。

 

「お下(しも)は、ご自分で、」と、タオルを渡すが

「今日は、いいや、」と突き返される。

仕方ないので嫌がる父をつかまり立ちさせ、お尻も拭き納めた。

 

そして雨戸の無い窓に養生テープだ。

ベリベリ、という音が耳障りだと文句を言う父に、ハンバーガーをお食べなさいと勧め、テレビを大音量にし文句の声が、わたくしに届かないようにして作業する。

 

250メートルの養生テープはあっけなく使ってしまった。

続いて庭に出て、ヤバそうな鉢や装飾を除けたり結んだり。吹き飛びそうなモノは縁の下に突っ込んだ。

 

やる事がなくなったので、普段は弾かないピアノのフタを開けて弾きまくった。

指が動かない!

勘所がズレてしまったようで思いもよらない音が出る!

 

あんたはダンプカーみたいにバリバリ動いて

何でもなぎ倒すみたいで心が無いね。

 

ため息混じりに父が言う。

その通りだと自分でも思う。

しかし、わたくしには、場当たり的に行動し、出来ることを片付けていくことしか出来ないのだ。

だって、頭の中で、あの映画が去来しているんだからっ!!

たいへんなんだからっ!

 

 

翌13日、台風が去り、

あれほど希少価値があった養生テープがゴミになる。

 

 

電車が動き出してから自宅に戻る。

単身赴任夫は実家の塀が倒壊したそうで、そちらへ応援に出かけたようだ。

何かあると、それぞれに行動するわたくしたち夫婦。

ふと気づけば1012日は結婚記念日だった。

単身赴任夫にLINEをしてみた。

【いつもありがとう。あの日の選択を猛省し、来世での教訓として生かしてください】

いまだに既読は付いていない。