叔母は鎌倉で一人暮らし。
叔父は秘密基地のような居場所3拠点を行き来しながら一人暮らし。
義姉は義父母が残して逝った家で一人暮らし。
夫の単身赴任は10年を超える。一人暮らしは、おそらくこの先も続く。ずっと。
息子は進学先の山の中で一人暮らし。
わたくしは誰も帰って来ない家で一人暮らし。
誰も訪ねて来ない家…、にしてしまったのは、わたくしの魅力が足りなかったからなのだろうなぁ。
昔、実家には事あるごとに皆が集った。
誕生日、クリスマス、夏休み、花の頃、週末。
何でもない日でも庭で鯵の開きを焼いて皆でつつけば、ご馳走だった。
雪が降れば庭にストーブを出して正月の残り餅を焼いて、甘酒を温めて。
そんな温かい場所のホストは、
今では怒ってばかりの我が父と母であったことを忘れてはいけない。感謝しなければ、ね!
…雪の日は特にいろいろな事を思いだす。
雪だるまの作り手が巣立ってしまった庭には
わたくしの足跡だけがいつまでも残っている。
はしゃいでいない面白くない足跡だ。
ぼんやりと庭を眺めていたらご近所さんが
お汁粉を差し入れしてくれた。
わたくしに、と、作って持ってきてくれた。
嬉しかった。
誰かと食べるひと口は、こんなにも丁寧で嬉しくて温かい。
立春大吉!
雪の軒下に蕗のとうを見つけた!
わたくしにも、皆の1人暮らしをつなぐチカラがあるだろうか。
もう春だから、やってみよう。