不登校息子+親介護+単身赴任夫=思秋期なあたくし。

怒涛のようにやってきた不登校と介護と夫の単身赴任の荒波を、更年期のあたくしがサーフィンする日々の記録です。

実家が売れないとき

f:id:kanimega:20210819032542j:plainお天気雨が降りつけるなか、@実家。
ルドベキアが咲き誇る母の庭を眺めていた。

先程、雨の不意打ちを食らい、慌てて洗濯物を取り入れた際にウッドデッキを踏み抜いてしまった。長らく実家の団欒の中心地でありつづけてきたデッキである。修繕をしたらまた、皆で火を囲み、笑いあうことができるだろうか?

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一時は実家を売り払い、両親には
わたくしの自宅近くに転居することを考えてもらった。
しかし、リハウス業者が弾き出した売値価格はビックリするほどの安値で
それでは、その先の両親の老後が危ぶまれた。
それでも買い手がつけば、と一縷の望みを転売広告に賭けたものの反響は得られなかった。
増してや折り込み広告が実家近隣家庭に入ったもので、ご近所の心配と興味を巻き起こし、母のストレスは嵩んだ。
翌週にはリハウス業者担当者のアドバイスで端数を切っての再広告をぶち込んでみたものの、反応は薄かった、、。
そんな状況で一握、見学にやってきた人々は母の庭や、設えをこき下ろした(〃ω〃)。リハウス業者担当者も呼応して「そうですよね」と。
どうにもこうにも折り合いがつかず、母とわたくしはリハウスを諦めたのが数年前。

にわか雨に誘われるように、母の本音が口をついて出た。
「アンタ、この家をどう考えてる?もう、ママには、この先の事まで牽引していく力が無いのよ。アンタが引き受けて!そうしてくれると言って!そしたら最期の時まで安心して暮らしていけるから」
!。
「でないと、アンタが踏み抜いたウッドデッキみたいにママの心も朽ちていくだけだよ」

…。
そこへガンガンと壁を叩く音がする。
父はこうして居室から何かを訴える。
部屋を覗くとロンパリの目つきで
何か甘いもんをおくれよ。と言うのだ。
父は既に朽ちてしまった。
母が手遅れになる前に手を打たねばならないのは分かっているのだ。

母には、次の転職先は実家から通える場所にするから、と答えた。
母は、そう、じゃ、いつ?と。

いつにしよう。
わたくしの人生の思秋期。

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