不登校息子+親介護+単身赴任夫=思秋期なあたくし。

怒涛のようにやってきた不登校と介護と夫の単身赴任の荒波を、更年期のあたくしがサーフィンする日々の記録です。

不登校が可哀想だなんて、思ったことがなかったス

衣替えをした。

 
息子の衣装ケースには
ボタンが取れて袖がほつれたままのクタクタのワイシャツが。
ゼッケンが付いたままのランニングウェア。
スパイクのピンまで。
なーんにも考えられなくなったアタマで衣装ケースにぶち込んだようだ。
昨年のわたくしの精神状態が生々しく封印されていた。

 

「行く気持ちも無いくせにワザとらしく制服着てンじゃねーよ!」。
登校できずに玄関でうずくまる息子の胸ぐらを掴んだら、ワイシャツのボタンが割れてパラパラと床に落ちた。
 
昨年春、思いがけず目の前に不登校児が現れた。
 
母として何としてでも息子を学校の群れの中に戻さなければいけないと信じていたわたくしは、
初夏を迎えると焦りが加速して常軌を逸していった。
 
母の異常は息子をさらに追い込んでいく。
母の手を逃れドアをブチ抜いて逃げ出した。
母の問い詰めを払いのけるために仰け反った頭がガラスを割った。
‥怖い記憶。思い返すだけで鼓動が早くなる。
 
あ!
ダメだな、と、確信する瞬間があった。
このままでは危険だな、と。
事件になっちゃうかもしれないな、と。
ダメにならないように、沢山の機関に現状を相談し、厳しいアドバイスを受けた。
 
その中でいちばんの重しになった言葉は
「あなたが母として子供の幸せを本気で手繰り寄せようと望むなら、あなた自身の行動が洗練されてくるはずだ」。
 
なるほど。腑に落ちたようなそうでないような?
でも!うまく理解したとは思わないがわたくしは、以来こう考えるようになった。
 
例えば息子が器だったとして…
5しか盛れない器に10は盛れないように
ウチの息子の適正は
5だったとイメージしよう。
10の規格から外れた器の扱いについて、だ。
仕方ない!
まず5のキャパに2を盛ることにしよう。
5入ります。しかし2しか要りません。
ポジティブに考えたら燃費がいいじゃないかっ! いいねいいねー…
その2は、大切で、せっかくで、貴重な、譲れないギリギリの量2であり、
息子のすべての原動力になるであろう。
さて。
10の規格の器と、2/5の器では仕事量が違う。用途も違う。
では、どうしましょう?
 
現段階で、どうしましょう?まで辿り着いて改めて衣装ケースの中身を眺めてみる。
朝練、おにぎり、ポカリ、麦茶の香り。
美しくないフォームで愚直に走り抜ける孤独なランナーに笑顔は無かった。
走ることが楽しかったはずの息子は一方で勝敗のプレッシャーに弱かった。
故障に泣き苦しんでいた…
昨年は見えなかった息子の苦しい表情が見えてきた。
 
あれ?ちょっぴり可哀想💦不登校息子。
 
そしてわたくしは、
2/5の世界で生きていく息子が前に進んでいくのを、ただただ、見守っていくのだろうなあ、これからも。