人生ってやつは、寒くて、えぐい。
終始温かな気持ちでは生き延びられないよ・・・。
父の体調がすぐれず、50キロ離れた実家と自宅を右往左往しているうちに
自分が相当やさぐれていることに気づいた。
そんなわたくしをよそに息子が鼻歌まじりに映画に行く支度をしている。
観たかった映画がやっと封切りだという。
「母ちゃんも、行かない?」と誘われた。
スカーレット・ヨハンソンは好きだ。
よし、行くっ。
で、すごく好きな映画になった!
緑みの青のコートが欲しい!
靴ひもを見ると泣けてくる!
サントラを聴きながら実家以外の場所へドライブしたい!
Shio君を思い出した!
・・・主人公の親友ヨーキーに似た子、それがShio君だ。
おさななじみのShio君は、日本人離れした容姿と太平洋のような心の持ち主の子供であった。Shio君が両親の仕事の関係で数年スペインに渡り、帰国した際のことを思い出したのだ。
『会いたかったよ!』穏やかに自然にふんわりとハグされたときの気持ち。
10歳の友情。親愛。懐かしさ・・・。
素直に誰かをハグしたくなった。
セリフに込められた珠玉の言葉の数々は抜き書きしたいほど。
そこからひとつ。
【すべてを経験せよ、美も恐怖も。生き続けよ、絶望が最後ではない。】
よし!絶望のカードを返すまで行動するぞっ!