むかしむかし、今から40年以上前のお話。
保育園を登園拒否して退園したわたくしのために
母が百科事典を買ってくれた。
その百科事典の、らりるれろ、の項にリニアモーターカーがあった。
磁石の力で浮き上がって進む未来ののりもの!
そのスピードは新幹線の比ではない。
現在実験段階。近く有人実験が行われる・・・
あれから40年以上が経過し、リニア計画は着実に進行している。
真っ暗なトンネルの中を通って名古屋まで行くの?
それなら駅弁食べながら風景を楽しみながら新幹線で行ったほうがいいなぁ程度に思っていた話が、
数年前、ある日突然身近な話になった。
以来リニアネタは
わたくしたちの居住する地域全体のイヤな話になってしまった。
つまり。
リニアはトンネルを通る。
➡トンネルを掘ると土砂が出る。
➡土砂を地上に出すには立坑を建設せねばならぬ。
➡立坑から出した土砂はトラックで搬出する。
➡トラックは毎日朝8時から午後5時まで10年かけて土砂を搬出しまくる。
➡そんなトラックが通れるような広い道路は此のあたりにありませんが?
➡往路復路を違えて渋滞をしないよう、道路を作ります。
➡そんな土地はどこにあるのでしょう?
・・・ここまで辿り着いて、
やっと地域住民はこの話の恐ろしさに気づくことになった。
最初に新聞に掲載されたリニア中央新幹線計画路線図と決定路線図の差異があった。
驚く住民をよそに計画は決定事項として動き出していた。
リニアは国策だ。
どんなに反対しようが押しの一手で進行するのだ。
多くの住民の脳裏に辺野古の海が浮かんだことであろう。
配布されたトラック搬入道路予定地は地図が不鮮明で判らない。
立ち退いた家の枠取り次第で道路が確定していくのだろう。
日々スーツ姿の男性が搬入路に掛かる家々を回り立ち退きを迫る様子を目にしてきた。
大手不動産会社の開発により整然と並ぶ建売住宅は五千万円を下らなかった。
家主は相当の覚悟をもって購入し、夢をもって転居してきたわけだ。
まだ7年そこそこの家を立ち退けと言われても!!
小さな小さなお子さんが居るご近所さんは、立ち退きに応じなかった。
昔からの地の人も、また応じなかった。
しかし、台風19号が近づくなか、2軒のお宅が人知れず引っ越していった。
今日、台風に耐えた庭木が業者の手により無造作に切り倒されていた。
室内の金物が取り払われ、明日にはあっけなく取り壊されてしまうだろう2軒だ。
直接ではないが、居住者の方は
「十分にここでの生活を楽しんだ」
「この先10年、日夜曜日を問わず続くトラックの騒音に悩まされて生活したくない」
と、言い、この地を去っていったそうだ。
https://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/sp/plan/toshibu/
リニア中央新幹線の環境影響評価基準書
に記載されたルート計画、なるものに
【工事用道路】というのがクッキリと記されている。
いつの間にか航空写真が更新されており、
写真が鮮明なだけに、さらに恐ろしいことになっている!
布団なんか干している場合ではないぞ!わたくし!
と、航空写真の我が家のベランダに呼びかけてみたりした・・・。
↑立坑予定地を指す不登校息子