父のデイサービスをチェンジしてから4か月が経った。
美味しい食事と信頼できるスタッフに支えられ、
週二回の利用を心待ちにしている様子であった・・・はずの父である。
が、しかし。
近頃、通所施設に対しての不満を口にするようになってきた。
【残念だ】
【がまんしてます】
【仕方ない】等、
施設で何かあると、父から一言メールが届く。
新入りの利用者に対して手厚かったケアが通常になってきて寂しいのかな?
【どうしたの?】返信しても応答が無いときは、夜になってから電話をしてみる。
「折り紙なんか、歌なんか、お絵かきなんかやりたくないんだっ!」
と、父は言い。
「もっと高尚な俳句とか、時事ネタとか、そんなことを話せる仲間が欲しいのに」
…うーん。そんな高尚な趣味など持っていなかったはずだが、そう語気を強める父は、後期高齢者になったばかりで他の利用者さんとの比べると若輩者である。
しかし気持ちは70代半ばでも身体の能力的には他の皆さんに水をあけられている。
「食事と風呂、それ以外は構わないでおいて欲しい」
…それでは自宅で過ごしているのと変わらないではないか…。
更に
トイレの便座がバタンと音を立てて閉まってしまったら、若いスタッフが飛んできて
「ダメじゃない!静かに閉めなきゃっ!」と、父に声掛けしたらしい。
大きな物音に対し、素早く反応してくれ、
トイレで父が倒れたりしているのでは?と駆けつけてくれただけのことだろうが
父の安全をおもんばかってのスタッフの行動は、残念ながら真意が父に届かなかった。
またまた更に
口腔ケアの際、スタッフに
「ダメじゃない!うがいで口から出た汚物はキレイに流さなきゃ。。。この間も言ったでしょ?」
と、ダメ出しがあったとか。
まるで母に言われているのと同じ調子で注意されているな、と、可笑しくなった。
こんな時は、先日拝読した偉大なる坂東眞理子先生の著書からお知恵を拝借して父に語りかけてみた(^^♪
あのね、パパ。トイレや歯磨き、慣れ親しんだ生活の習慣について若いスタッフさんに注意されるなんて、新鮮な感覚だよね!家族の誰もが諦めてしまったパパの習慣について、根気よく改善に向けて取り組んでくれるそのスタッフさんの仕事ぶりは素晴らしいよ!パパは怒る前に、その熱血スタッフさんの心を褒めてあげなきゃ。よく気づいてくれたねぇ、ありがとね、って。褒められたら嬉しいよね。大変なお仕事に従事して気を抜けないスタッフさんに、パパがオアシスになってあげたら、きっと何かが変わると思うよ、パパはスタッフさんよりも、いろんな意味で大人なんだから。どんな場面でも余裕をもって機嫌よく対応してね・・・等々と。
通所施設で
様々な介護レベルの利用者に対して個別対応することの難しさは計り知れない。
予定されている活動時間割の中で、折り紙がやりたくない、だの、
ほっておいて欲しいだのと言う父の取り扱いは、
さぞ迷惑なことであろうと察しが付く。
活動の途中でトイレによちよちと歩いて消えていった父の姿を追いながら、
バタン!と音がすれば介護職の方は、さぞ肝を冷やしたことだろう。
わたくしと母にとっては、どーでもよくなってしまっている歯磨きのうがい一つでさえ、まだ向上のポイントがあると言葉かけしてくれる。ありがたい!
父の75歳のたしなみ、が実行され、介護職のスタッフさんとの間に良好な関係ができること、それが続くことを願う!