息子が不登校状態になって一年と2か月。
いつのまにか、息子の不登校時間は中学校時代の半分以上を占めている。
わたくしは週一ないしは隔週の間隔で放課後の職員室を訪ね、担任にプリント類をもらって来ていたが、
中間テストウィークだった今週のとある夕方、息子は「先生にプリントもらってくる」と言うので一緒に登校することにした。
ためらう様子もなく、サッサと学校ジャージに着替え指定バックを斜めがけにした息子は、
なんだか普通の中学生みたいである。
職員用玄関まで到達すると息子は
「ひとりで行ける」と言いインターフォンを押した。
そして「母ちゃん!オレ、何組だっけ?」と苦笑いした。
息子の登校を快く迎えてくれた先生たちの反応が面白かったので紹介したい。
「いやー。大きくなったなぁ。保健室で身長と体重計ってこようぜ」
・・・ありがたい。
「3月25日ぶりの登校じゃない?懐かしいわ~」
「いえ、4月にも一度来てくれているんですよぉ」
「ありゃー。今年3回目かぁ。また来いよ!」
「校長先生から許可もらいましたから、本日の登校1日を記録しておきますね」
息子は終始笑顔で先生たちと対面し、身長と体重を記録してもらい、登校1を認められ、
しかし中間テストは「今回も見送ります」と宣言し
「じゃ、また」と言って一礼して学校を後にした。
・・・このやり取りは久しぶりに先生を訪ねた卒業生のヤツだろうに。
そして持ち場に戻っていった先生たちは、別の不登校生徒のフォローに奔走していた。
生徒の家に電話をかける。保護者が出たらしい電話口に代わり当事者が出てもらえないかと許可を求める。そして
「おお、○○君?体調どう?明日のテスト、受けられそうかな?」
「なんか不安なことはあるかい?試験範囲でわからないことがあれば、言ってみて」
など。
また、不安げな表情で職員室を訪ねてきた保護者を励まし、状況の聞き取りをし
「大丈夫ですよ」と送り出している・・・
将来仮に息子が周囲の人間と中学時代のあるある話をするとしよう。
すると超絶無口な息子であるが、盛り上がっている話題にコメントを求められ
「オレさ、不登校だったから、そういうのわかんねんだよなぁ・・・」って答えるとする。
と、周囲はきっと驚きもせず
「あ、お前も?」とか
「あ、アタシも高校んとき不登校だよぉ」とか
「やっぱ?そんな感じするぅ」なんて反応をするんじゃないかなぁ。
それほど今、不登校児は多いと感じた。
帰路、息子になぜジャージで登校なのか?と問うと
苦笑いしてため息をついてみせた。
あ!
そうだ!半袖シャツは去年…
人生は、繋がっていく。
一つひとつおろそかにできない!
と、反省した。