実家に行った。
母が泣いていた。
電子ジャーの釜が昨夜から行方不明で米が炊けないのだと言う。
えええええっ?
いつもよりピカピカに磨かれた台所。
昨夜一晩中、釜を探しながら片付け物をしていたのだと言う。
やややややっ?
そんなことはなかろうと、わたくしも一緒になってもう一度探した。
よもやと思い、冷蔵庫の中や洗面台下のスペースまで探した。
無い。無いのだ。
鍋でも炊けるよ米は、
と、なぐさめ、土鍋を取り出した。
そうね(;´∀`)と母は米櫃を開けて叫んだ。
あああああったあーっ!
・・・祖母の代からが長年愛用してきた大きな大きな米櫃の中に
なぜか電子ジャーの釜がすっぽりと収まっていた。
過去何度か桐の小さ目な米櫃に買い替えを勧めたが母はこの櫃にこだわりがある。
いやぁねー歳とるって!そう言いながら母の涙はまだ止まらない。
おしゃべりも止まらず、炊きたての飯を盛りつけた茶碗を片手に
なかなか箸がすすまない。
あきれ顔で食卓に着いている父がボソリとわたくしに耳打ちする。
「ママは孫が悪い子になりはしないかと心配で、おかしくなっちゃったんだよ」
・・・そうか。そうなんだね。
母は連日のひきこもり報道に加え、
NHK特集で観た不登校の特集が心に重たくて
ここのところ不眠状態だったらしい。
修学旅行にも行かなかった中三の孫への心配事が大波のようにつのり
電子ジャーの釜の紛失につながったとはっ!!
さては、その涙、本当は孫の将来をおもんばかって流しているのだなぁ。
ありがたいことです。
父は久しぶりの米飯に茶碗を空にして「おかわり」と差し出したが
母は「カロリー的に十分です」とバッサリ。
よかった。今日の父も母の厳しい管理下にあり安全で安心な環境で過ごせている!
母に感謝。