単身赴任夫の家賃と進学先で一人暮らしの息子の家賃と自宅のローンを合算すると月々、住処に対してとんでもない額を払っていることになる。
この夏、太陽光発電で満たされた蓄電池は、いつでも満タンである。
わたくしが仕事に出ている間の日中帯は自宅に金魚5匹が残されており、しかし金魚のためにクーラーを使うわけにもいかず、余剰電力は爆安で買い取られていく。
陽にさらされ続けたテラスの板目がそり返り、ささくれてきた。
芝刈りをしたものの、その後雨が不足し、
葉先が黄色く枯れてしまった。
先日の強風で物置の扉が外れてしまい、飛んだ金物で外壁が欠けてしまった。
ついでに
夜中に出現したゴキブリを退治しようとして撒き散らした台所用洗剤に足を取られて転倒。この際、肘を打ちつけたクローゼットに穴を開けてしまった。
…そんなタイミングで
単身赴任夫と息子が帰省した。
久しぶりの料理も、なんだか冴えなくて
焦げついたハンバーグを暗澹たる気持ちで皿に盛り付けた。
しかし。
食卓を囲む夫と息子は饒舌で
わたくしが分け入ることの出来ない小難しい話題を笑顔でやり合っているではないか。
しかも、クーラーを付けない!
窓が一方向しか無いアパートと比べたら家は涼しいのだとか。
2人とも揃って春から7キロ痩せたのだそうで、日頃、多忙な中で食事の支度がしんどいのだと互いに共感していた。
ゴーヤチャンプルと人参サラダを追加して食卓に置き、
わたくしは暑すぎる部屋を、そっと離れた。
掃除分解したら作動しなくなってしまったウォシュレットの事は黙っておこうと決意しながら…